本当の発菩提心を考える
(菩薩の用心は皆、慈悲を以て本とし、利他を以て先とす)
こちらはお大師様のお言葉でございますが、仏を目指して、修行をする者の心として大切なのは
人々の苦しみや悲しみを取り除き、人々に幸せをもたらすことを基本とし、
自分のことよりも、他者の幸せを考えることが大切だと言う教えでございます。
私たち真言宗では(おんぼーじしったぼだはだやみ)と発菩提心の真言をお唱えしておりますが、
これは自らの意思で俗世間の娯楽などを捨て、悟りを目指して出家を決意する心のことを言います。
お大師様は香川県の佐伯一族という讃岐国の有力な豪族の息子として生まれ、当時身分の高い家系の人しか入れなかった大学にも無事に入学でき、政治学を学ばれ、将来は官僚を目指しておられました。
しかし当時の政治では庶民が飢えに苦しむことが多く、このまま官僚になっても人々を救うことは出来ないと考え、一切の名誉を捨てて出家をされました。実際に僧侶になられてから中国で学んだ土木技術を使い池やダムを作ったり、身分に関係なく誰でも学べる大学を作ったりと人々の幸せの何よりも考えられて僧侶としての枠を超えた活動をされておられました。
自分のことより他者をいつも優先的に考えることは難しいことですが、心に余裕がある時は皆様も考えて日々をお過ごし頂き、お大師様の人の苦しみを取り除き、他者の幸せを考える心を持って頂ければ幸いです。
合掌