大切な人を失った悲しみは、一朝一夕に拭うことはできません。
遺族も、ケアする人も、時間をかける必要があることを理解し、
焦らず立ち直っていくことが必要です
大切な人を失った悲しみは、一朝一夕に拭うことはできません。
遺族も、ケアする人も、時間をかける必要があることを理解し、
焦らず立ち直っていくことが必要です
落ち込むことや悲しむことを、いけないことだと否定する必要はありません。
悲しむことは、心の痛みから回復するために必要な過程だからです。
悲しみや怒りは、マイナスの感情と考えられがちです。
しかし、傷ついた心をケアするためには、これらの感情を感じることが大切なのです。
悲しみに浸ることはつらいものです。
しかし、感情を抑え込まず、十分悲しみ、怒り、落ち込む気持ちを感じましょう。
寂しい気分や苦しい気分になるのは嫌なものです。
そういう心理から、散財に走ったり、暴飲暴食したり、ギャンブルをしたりなど、刺激の強いことに夢中になりがちです。
また、仕事や趣味に没頭したり、ボランティア活動に励んだりなど、一見良いことに夢中になったりすることもあります。
ですが、これは、どちらも自分の気持ちを紛らわし、寂しさを埋めるための行動なのです。もちろん、楽しいことや仕事に夢中になって充足感を得るには悪いことではありません。
でも、その反面、何かに熱中することが悲しみを増幅させてしまい、心身のバランスを崩す可能性もあるのです。
気持ちを紛らわすために、予定や用事を入れ過ぎて疲れてしまったり、その時は楽しくても一人になると虚しくなったり、何かをしていなければ落ち着かないなどの状態は良くありません。
意識的に「何もしない時間」を作って、心と身体をリラックスさせてあげましょう。
悲しみの渦中にある時は、早く元気になりたいと思うものです。
しかし、まだ立ち直れない、早く前向きにならなければと焦ることは、心の回復の妨げになるだけでなく、うつ病などを招く危険性があります。
大切な人を失ったことで受ける衝撃や、心の痛みから心が回復する時間は、もともとの心の強さというよりは、故人との関係の深さや思いの強さにあります。
故人に対する思いが大きければ、痛みは大きくて当然です。
焦らず、悲しみを一人で抱え込まないようにしましょう。
イライラしたり、急に泣けてきたり、やる気が起こらないなど、心身の変調を感じた時は、一人で悩まず、メンタルヘルスの専門家に助けを求めましょう。